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ねむろの観光とおまつり

草莽に騒ぐ
 発 御


〜 発 御 〜

 

2672 境内より濃霧の根室港を望む 拡大
根室港パノラマ

2678冬 晴れの展望 拡大境内より弁天島を望む
根室港をパノラマで撮影


右手には根室港湾合同庁舎
左手には根室漁業協同組合


晴れていれば弁天島がはっきり見える

2675 境内から弁天島を望む
境内から弁天島

2671 晴天の弁天島 拡大
弁天島を望む


2675 弁天島 拡大弁天島
2675 市杵嶋神社 拡大市杵嶋神社
2678冬 市杵嶋神社 拡大市杵島神社
2678冬 根室港冬景色根室港と弁天島

神社の境内に入る前に弁天島を望んだ

傾き始めた太陽でさざなみが輝いて綺麗だ
海流や風向きによっては
流氷で埋め尽くされる根室港だが
この日はかけらも無かった

白く浮いている氷は海水が凍った海氷
アムール川河口から運ばれてくる流氷とは違う


北方の微生物やミネラルなどを運ぶ流氷は
我々に海の恵みを与える

邪魔なものと考えがちだが
これはこれで自然の摂理に則した自然現象であり
資源でもある

 2675 海上保安庁巡視船 ∠(`・ω・´)
海上保安庁船艇
海の安全を守る海上保安庁の巡視船

国家の安全も守る

2672 境内より
 
境内は静けさが似合う

飛ぶ鳥も茂る草木も

これから熱いドラマが繰り広げられることを知っている

知らないのは人間だけだ
2675 奉納相撲
奉納相撲


2673 奉納相撲 団体戦(大将戦)


2675 奉納相撲 個人戦
奉納相撲が執り行われていた

近隣市町村と団体戦を競い合う
2669 高田屋嘉兵衛 拡大
高田屋嘉兵衛像

2678冬
高田屋嘉兵衛の像

高田屋嘉兵衛が見守る

2674 高田屋嘉兵衛
高田屋嘉兵衛
“冒険者たちの岬”という
根室市観光協会が制作した観光用のポスターがある

そこには根室の歴史を語る上で欠かせない
重要な人物4人の肖像が描かれている

北海道開拓の父 松浦武四郎

日本に初めて訪れた外国人 ラクスマン

太平洋横断の冒険家 リンドバーグ

そしてこのサイトの中心舞台となる根室金刀比羅神社を建立した
高田屋嘉兵衛
2669
境内の名刺入れ
このようなものは他で見たことがない
個人情報の管理なんかどうしているのだろう

そうか神様がちゃんと見てるのか
 2672おまけ
おもしろい絵馬
「他には何もいりません」

という謙虚な姿勢に感動したが

「今年は」

という条件を付けたところが

人間らしくて好きだ

2669
神殿正面
※神殿は正面から撮影してはいけないのだ
 以前に靖国神社の警備員が教えてくれた
 でもせっかく載せたので恐縮ながらモザイク処理で・・・


神社の境内に入ると
本殿ではすでに儀式が始まっていた

この儀式は
「天上の神様どうぞ来てください」
という意味かな
2669
儀式1
見せないのだ
2669
儀式2
どうしても

見せないのだ〜
御神輿正面
名前:御神輿

体重:1.5トン

燃料:北の勝

武器:神の天罰

装甲:神様バリア

速度:酒量による
2669 お神輿正面 拡大御神輿アップ
こういう神々しいものが子供の頃から好きだった
いまでも各地の寺社をよく訪れる

さて上に何か乗っているが・・・
2669 鳳凰 拡大鳳凰

2675 鳳凰 拡大
鳳凰
この鳥はなんだろうと疑問に思い調べてみた

鳳凰という中国伝来の架空の鳥だそうだ

 頭は麒麟
 首はヘビ
 あごはツバメ
 背はカメ
 尾は魚
 全長六尺(約2m)
 五色の羽を持ち
 五音の声を出す

という・・・なんともおめでたい鳥だそうで・・・

しかしもし実在するなら

それは怖い
 2672
本殿にて御神輿
この時間はまだ雨が降り出していなかったのに

憎いことに

担ぎ棒の準備が整ったところで雨が降ってくるのだった

2669
担ぎ棒
担ぎ棒

素材はなにかな?

硬そうだからケヤキとか?

先頭のことを先棒と書いて「ハナボウ」と言うそうだ
もっとも目立つので人気がある花形ポジション
 2675 経年の担ぎ棒
担ぎ棒
6年前に撮った上の画像と比べて欲しい

縦にヒビが入っているように見える

お神輿の重力と担ぎ手の力がそうさせたのか?

色も良い具合に抜けてきた

毎年見ていると変化に気づかない


もちろん誰かは変化に気づいているはずだ
2669
発脚1
さて
担ぎ棒の組み立てが始まった
2670
発脚2
観客も見守る中
男たちが綱を引いて締める

綱の締りは気の締まり

水をかけて締りを更に良くしてる
 2669
担ぎ棒組み立て
 
2670 担ぎ棒完成
担ぎ棒が完成したお神輿
完成形
2670
反対を抑えていないから

綱をしめるたびに御神輿が左右に振られていて怖かった
 2675
力が入る

安定感があって見ていて安心だ
ここでちょっとコメントしたいことがある
※著者の雑感なので興味ない人は飛ばしてください

神輿の撮影をしていた時だった。
そばにいた中年男性が私に声をかけてきた。
日焼けした肌,
贅肉のない四肢,
肉体労働が似合う風貌だ。

「何時に出発するの?」

こちらは坊主頭にサングラスという,まぁあまり声をかけられないスタイルだったのだが,
気さくにも話しをかけてくる。

なぜかすぐに親しくなった。

男性(以下男)「根室は,北海道三大祭というから見に来たんだ,どんなものかと思って・・・。」
私『どこから来たの.』
男「広尾だよ,出稼ぎで来ているんだ。地元は仕事がなくてね・・・いや,仕事はあるんだけど。良い仕事が無いんだ。」

すこし不機嫌になったようだ。

男「稼いだら使う。使って世の中の金が動くんだ。そうしたらまた戻ってくる。」
私『うんうん,そうだね。ところてんのように,押さなくちゃ出ないからね。』
と返した。

しばらく時が経ち,様子を伺っていた男がまた近寄って来てこう言った。
男「こんなもんかい?小樽の方が盛大だ。」
と不満を漏らしながら消沈した面持だった。

こんどはこちらが少し不機嫌になった。

男「三大祭りと言ったら,あとは江差かい?あっちは盛大なのになぁ。」と残念そうに帰ろうとする。
ところが誰かと電話で話したと思ったら,踵を返してなぜか笑みを浮かべながら戻ってきた。

男「いま友達に聞いたらこのあと酒を飲ませてくれるって・・・。」

なーんだ,そっちの口か・・・。

さて,そうしているうちに境内では担ぎ棒の組み立てが始まった。
しばらく組み立てを見ていたが,どうも作業がスムーズじゃない。
同じことを繰り返しているだけで進まない。

男「だめなんだなあ,こうやって締めても。止めてからじゃないと締める意味が無いんだ。」
男「止まってないから締まらない。」
男「締めるということは,止まって初めて締まるもんなんだ。」
とたんに眼が輝き始めた。
どうやらこの男,漁師のようだ。

口を出したと思ったら,いつのまにか輪に入って作業を手伝い始めた。
そうして近隣の若者に激を飛ばし始めたのだ。

男は動きも早いが視線の使い方も機敏だ。
口だけではなく,常に目と手が同時に動いている。
仕事っぷりが粋で素晴らしい。

でしゃばらず,邪魔にならず,そして動きに無駄がない。
手の出し入れのタイミングが絶妙で,周りと調和している。
掛け声と力が一ヶ所に集中し,やがて担ぎ棒が組み込まれていく。

なかでもこの男の大きな声がひと際目立っていた。
さぁもう少しだ。神輿に息吹が入り込む。見ているこちらも力が入る。

やっとの事でほぞが“スコン”と入った途端,すでに用は済んだと思ったのかサッと輪を抜け出し,またこちらに帰ってきた。
技ありの脇役に徹していた男の姿へ,私は労いの眼差しを送った。

そして首をかしげながら開口一番に「・・・祭りやる気あんのか」と苦笑いでつぶやいた。
しかしこのときは互いに不満はなかった。


若い人は経験もない。
何をやったら良いのか分からず右往左往するばかりだ。
作業に参加しないで傍観している人もいる。

男「分かっていないのが多すぎ。そして年配の人たちがちゃんと教えていないから次が生まれない。」

厳しい言葉だ。

そこで私はこう言った。
私『うん,その通りだ。若い人に教えて引き継いでいかなければ,次が困るんだ。』


さて,担ぎ棒の組み立てが完成したところで,男が待っていた振舞い酒だ。
担ぎ手が次々に列に並ぶ。
彼は酒が好きなのだろう。姿が見えないと思ったら,いつの間にかちゃんと列に並んでいた。
自分の番にくると嬉しそうに盃を差し出す。
注ぎ方が足りないと見れば「もっと!」と追加をせがんでいた。

汗を流したから当然の報酬だ。金刀比羅の神様も微笑ましく見ているだろう。
さすがにそのシーンだけは,カメラをポケットに収めてしまった。
ファインダー越しに覗かず,その勇姿を直に自分の目で見届けた。


このような共同作業は会社の経営によく似ている。
力の強さも方向も,調和していなければ効率が悪い。
そんな組織運営の経験がない若者が増えている。

もうひとつ心配なのは若者の地元離れだ。
若者は力の象徴であり,将来への重要な担い主である。

この御神輿の担ぎても,半分は自衛隊からの支援だと,あとで知った。

伝統の継承には,能動的な意志の継続が必要なのに・・・と,
考え事をしていたら,しばらく撮影のシャッターを忘れてしまった。

さて,発御まで間もなくだ。
2683 発御
2669 西部祭典区の先大鼓
西部祭典区の先太鼓

2669
西部祭典区の先太鼓

2670
西部祭典区

2670 第一祭典区の先大鼓
第一祭典区の先太鼓
担ぎ棒の組み立てが終わると
祭典区の先太鼓がお神輿の前に挨拶をする

軽やかな音と動きがあって見応えがある
祭典区によってリズムが違うのに気づいただろうか
それよりもこの時点でテンションも違うような・・・

今年はマイク無しのカメラだったので
来年はなんとか音付きの動画でお届けしたい


担ぎ手が腹ごしらえしていると
各祭典区の先太鼓がそれぞれ順番に入ってくる

音が身体に響く
祭気分が高まってきた

それにしても懸命に打つ姿がかっこいい

行列に参加するために根室へ帰郷する者も多い


第一祭典区

昼食を食べ終わった担ぎ手からも拍手が湧く
 2670 第三祭典区の先大鼓
先太鼓第三祭典区
第三祭典区

昨年もここが一番最初にやってきた
なにか慣例でもあるのだろうか
2670 第三祭典区
 
 
2670 西部祭典区の先太鼓
 先太鼓西部祭典区
西部祭典区

笛吹に動きがあって見ていて楽しい
太鼓も力強かった
 2670 西部祭典区
 
 2670
 
 2669 記念撮影
本宮にて撮影
祭典区の幹部が集まって記念撮影

以前から疑問だったが
なぜ第二祭典区がないのか?
南北の祭典区がないのか?

昔はあったけど,過疎化でなくなったのか??

どこからか
 偶数は存在しないとかなんとか…
 縁起で東西がなんとかかんとか…
という声が聞こえてきます
2669
発脚4
男たちに気力が入ってきた
見ているこちらも汗ばんできた





祖母が相撲好きだった

土俵際に追い詰められる柏戸
一方の大鵬は寄り切りの様相

テレビの前で拳を握り
力むものだから自然に体が斜めに傾むく
まるで土俵際に落ちる力士のように

感情移入も応援のうち
2672
発脚の御神酒1

発脚の御神酒2
お神酒を頂く担ぎ手たち

雨水で割れた酒を飲み
威勢をつける
 2673 雨の発御
雨の発御
天よ

今年も泣くのか

ならば付きあおう

・・・旅は道連れ
2670
発脚5

発御
担ぎ手は二班に分かれており
片方は航空自衛隊根室分屯地に勤務する自衛官たちだ

年々自衛隊の規模が縮小しているなか
伝統的に支援を担って頂いている

ご苦労さまです

ありがとう
2675 発御パノラマ 拡大
発御パノラマ
 2670 発御の瞬間
発脚の瞬間
さぁ巡行の始まり

御神輿の発御(はつぎょ)という

ちなみに御旅所に付くことを着御(ちゃくぎょ)
本宮に戻ることを還御(かんぎょ)という



偉そうに言ってるが最近知った言葉だ
2670 発御の様子
どうやら東部さんは境内に入らないらしい

そのかわり明日再び御神輿が戻った時に
本宮で先太鼓を打つようだ

まったく勉強不足で恥ずかしい



男たちが肩に御神輿を担いだ

掛け声に合わせて発御の瞬間

 2672
掛け声が雨脚と混じる

鳥居をくぐり発御した

雨水に濡れた御神輿がいっそう輝きを増している

無事に着いて欲しいと 心で祈る

遠くから祈る

 2672 雨の発御
発脚で鳥居をくぐる
 2677 発御
この年は
お神輿が境内から出たところから撮影した

肌寒いが意気軒昂

ご巡幸の無事を願う
2673 ・・・。
わん!