crab navi

crab navigation
























クラブナビについて

消費者との感覚のズレに疑問を持つ

 私が生まれたときはすでに,伯父は蟹の加工業を営んでいた。
 当時は国内の蟹相場が彼の動向ですべて決まったと言われていたそうだ。
 日本で初めてジェット機をチャーターして海外に蟹を買い付けに行き話題にもなった。
 
 蟹の加工場(かこうば)で働く女工さんは,とても厳しい労働条件で働いていた。小説“蟹工船”を髣髴させるような雰囲気が長年続いていたのだ。
 私は幼くからそんな環境で育ち,成人してからはその会社の販売店で店長をしていた。

 店の管理を任されながら取引先との商談,テナント会の理事役員,さらに出張して全国の百貨店を飛び回る仕事をこなした。人脈が増えていくと地元の選挙応援も舞い込んだりした。
 店長になってからの4年間,約1500日の間1日も休まなかったことになる。
 失うことも多かったが,多方面での仕事で社会勉強を積ませてもらった。

 市場に集まる観光客を接客したり,出張しながら全国のお客様と接していくにつれて,あることに気づいた。
 店側の“販売者の考え”と,お客様が望んでいる“消費者の考え”に大きな隔たりがあるのではないかと。

 消費者にとって蟹は非日常的な贅沢品であり,またその価格から考えても高級品である。
 大切な方にお届け物をしたり,自分の家庭で煌びやかな食卓を飾るときに準備する特別なごちそうだ。
 更に蟹というのは食べ方や保存の扱いが難しい食品である。
 そのような品物を売る場合,お客様への充分な説明と個々のニーズに応える販売をしなければならないはずだ。

 しかし北海道の蟹屋と言えば店の都合による売りつけであり,売りっぱなしの無責任な商売がまかり通っている。
 特別な品物を買うお客様は,同様に特別な思い入れがあると察して当然である。
 お客様の手元に届いて難なく消費するまでの責任があるはずなのに,現状では原価に利益を加えただけの単純な物品販売になっているではないか。

 そこで私はかつての百貨店で執り行われていた“座売り”の精神を取り入れて,“伺う・提案する・提供する”という基本姿勢に注力したいと考えた。
 お客様の誂えにふさわしい品物をご提案するのだ。


   こうして至った考えが“crab-navigation”
   クラブ(蟹)にナビゲート(案内)するという考え方である。



 業界で培った知識と経験で,どこの店でどのように買ったら良いか具体的なアドバイスをするものである。
 食品販売という有形のサービスのみならず,情報提供という無形サービスこそ重要であると考えたのだ。

 私は蟹を通じて,家庭の“ハレ”に相応しい食卓をお手伝いしたい。
 人が集る場所においしそうな蟹が盛り付けられている場面を想像して欲しい。記念日やお祝い事をはじめ,正月やお盆などのハレの日には,やはり蟹が似合う。
 蟹によって皆様の豊かな食生活に寄与できると思うと,蟹屋冥利に尽きる。

 蟹屋は「売ってやる」という興業の時代が長く続いた。
 しかしクラブナビの蟹販売は「買っていただく」という商業とし,「私自身も買っていただく」という修業でもありたい。

 そして永く信頼関係を続ける仁業としたいのだ。

クラブナビ代表
2012.06.28更新