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一杯目を丁寧に淹れれば,二杯目がぐーんと美味しくなります。コツは欲張らないこと!貴方にもできるお茶の淹れ方をご紹介します。

おいしいお茶の淹れ方 其の二

DEUX 二杯目 “ドゥ”

さてここからが本番

一杯目で開き始めた茶葉は,時間の経過により更に開いてしまいます
完全に開く前に,早めに二杯目へ進みましょう

二杯目はその茶葉の特徴がもっとも良く出ます
お茶を味わうなら二杯目,というわけです

 一杯目は うま味よし
 二杯目は コクと色よし
 三杯目は 渋みよし


通は二杯目を好むとも言います
わたしは香りと甘味が出る一杯目が好きです ^^;

目安の湯温は70℃くらいでしょうか
湯冷ましに触れると「ジン!」と熱さが伝わり,長くは触っていられません

一杯目に使った湯冷ましがまだ温かいはずですから
ここでアツアツのお湯を湯冷ましに入れてもすぐには冷めません
 
一杯目のときより冷ます時間を要することになりますが
ここでひと工夫
あらかじめ湯冷まし(もしくは湯冷まし用の器など)を2つ用意しておけば
待つ必要がなくなりますね

このように
二杯目を淹れた茶葉はかなり開いています↓

二杯目1 二杯目2

高級な茶葉の場合は,もっとぬる〜い温度で,ゆ〜っくりと淹れて
二杯目で完全に開かせてしまいます
つまりここでおしまい。三杯目はありません (T_T)

なんとも贅沢な二杯になりますね
それだけ“良さ”を凝縮させた,貴重な二杯というわけです

もう分かってきましたね
お茶は茶葉の開き方がとても大事です
“ゆっくり”で“確実に”開くことで、茶葉の持つ風味をすべて出し切る
そうすると味わい深いお茶になるのです

もし手揉みの茶葉だったら,さらに開き方が早いのでさらに注意が必要です
このときもやはり二杯で飲み切るようにしましょう
手揉みは価格も高いですが,味も香りも豊かな高級茶葉です

贅沢なひとときを,ぜひあなただけに


TROIS 三杯目 “トロア”

三杯目は濃く
お茶らしい苦味と渋みが出ます

茶器が充分温まっているから,お湯を熱くする必要はありません
そのまま三杯目に行きましょ

目安の湯温は80℃以上。
湯飲みに触れると指先に「ビーン!」と電気が走るような痛みを感じ
思わず手を引っ込めてしまうほどの熱さです

上手に三杯出し切ったお茶は,鼻筋に清々しい香りが通ります
湯気の中にもはっきりと香りが立ち
熱さも味の一つになります

ここまでくると
茶葉が完全に開いてしまいますから,もうおしまいですよ

三杯目ですでに…出がらしの残念な味になってしまっていたら
・開きやすい茶葉で,二杯で終わらせるべき茶葉だった
・温度が高すぎて,二杯目までに実力を出し尽くてしまった(汗)

もしくは
・茶葉の量が少なすぎる
・お湯の量が多すぎる

のどれかです

繰り返しますが,玉露や高価な茶葉は二杯目で茶葉が開ききってしまいますので
三杯目は淹れないほうが良いでしょう

茶葉は,その持っているポテンシャルを楽しんでほしいのです
美しい風味を出しきるハイライトの瞬間を飲んであげて下さいね

三杯目1 三杯目2

出がらし

三杯淹れたら“出がらし”になります

もったいないなんて言わないで

お茶は嗜好品です
少々贅沢なくらいがちょうど良い

そんな非日常的なひとときを過ごしてください
その方が茶葉も喜ぶはずです

お気に入りの茶葉は
乾燥させて茶香にしても良いでしょう
フライパンで熱するだけで,お部屋の中にお茶の芳香が広がります


道具の工夫

お茶にとって水は命です

ミネラルウォータを使う場合は軟水を使いましょう
イオン水の場合は弱アルカリ性ですね

もし水道水しか用意できなくてもあきらめないでください
お水にひと工夫します

この備長炭は実際に使ってみて良かったと思う良品です。ぜひお試し下さい
水がとても柔らかくなり,色と香りの出方が違います
 
ポットの中に水をためて,備長炭を入れておくだけですから簡単です
電気ポットの中に備長炭を入れて,そのまま沸かしても構いません
余ったお湯はそのまま飲用や料理用として使うと良いでしょう

※ちょっと追記します。
おいしい水を求めて色々とやっているのですが,ブラックシリカは効果が分かりにくいですね。
市販のアルカリ水や,備長炭の方がはっきり違いがわかります

家電屋さんでよく売ってるアルカリイオン整水器もおすすめです
ホシザキさんとか,パナソニックさんで売ってる安価なアルカリ浄水器です



お近くの家電量販店を一度のぞいてみて下さい。あるいは通販サイトのほうが安いかもしれません


茶葉の保存

茶葉の鮮度保持に気をつけて下さい

なるべく家庭で買い置きしないようにします
もし保存する場合は冷暗所にします
冷蔵庫の野菜室も良いでしょう

ただし冷蔵庫保存の茶葉を使用する場合は
冷蔵庫から出してから半日以上放置し,完全に常温に戻してから使用します
そうしないと,茶葉が眠ったままで本来の風味が出ません
まるで生き物のようですね。不思議です


茶器

決まりはありませんから
お好みの形や大きさ,デザインで良いと思います

ただ必須なアイテムとして「湯冷まし用の器」はぜひご用意ください
沸騰させたお湯を適温まで下げるためにです

でも、特にお茶用のものに限ることはないと思います
私はコーヒーのミルク入れや、中国茶の茶海(ピッチャー)で代用しています
湯のみをいくつか用意して、お湯を移し替えながら冷ますのもよいでしょう

茶器

湯冷ましは、先が尖っている方が使いやすいです
急須にお湯を入れる際に、量の微調整が効きやすいのです
さらに急須にお湯を注ぐポイントも定めやすくて使いやすいと思います


急須選び。デザインと大きさ

このサイトは一人分のお茶を淹れることを想定していますから,急須は極力小さいものを推奨します
急須選びでもっとも大事なことは,自分の手に馴染んでいるということです

しぼり出す時に急須をアグレッシブに振りますから,手にあった小さめのものを選ぶと良いでしょう
また握る柄の形や太さも様々ですから,購入する際は必ず手に持って試すことが大切です
底や蓋の形も手にしっくりくるかどうかに影響しますので,見た目だけで選んではいけません

湯冷ましは大きくて口の広い方が,冷ます力が強くなります
本体に熱が伝わる上に,空気により広く触れて放熱してくれるからです

参考までに・・・
一般的に深蒸しは大きめの急須で、さらに網も大きいほうが淹れるときに詰まりにくいです
煎茶や玉露などをパーソナルに,少量を贅沢に楽しむ場合は、小さい方がなにかと使いやすいはず

急須と湯のみのバランス

また休まずに連続して三杯頂くのが基本ですから
湯のみも急須も小さめにした方が,早く回転させることができます

つまり茶葉が開く前に三杯の風味を楽しむということです


湯冷まし

もう一度おさらいしますが
湯冷ましの器に入れたお湯の温度を計る目安です

手を触れることができないくらい,チン!とした痛い熱さは80℃以上です
ジーンと熱が指に伝わり,引っ込めてしまうくらいが80℃です
なんとか短い間だけ触れられるくらいが70℃です
触れるけど長くは触りたくないくらいが60℃です

皮膚の厚みや指の感覚で個人差が出てくるので,あくまでも目安として捉えて下さい

湯冷まし

お茶うけ

さてこんなお茶うけもあります
送料無料もあってうれしいですよね


喫茶とは

お茶本来の風味を楽しむのです。
お茶を喫するとはどういうことでしょうか。

菓子とお茶。さてどちらが主役でしょう。
菓子のアクセントがお茶をおいしく盛り立てているとも考えられます。
お茶のお陰で甘味菓子が引き立つということもあるでしょう。

本サイトはあくまでもお茶が主役と考えています。
いかにしてお茶をおいしく,効果的に楽しめるかというところに主眼をおいています。

喫茶

現代人とお茶

ペットボトルのお茶飲料が主流ですね。
お出かけにも便利ですし,のみ残しても一時保存できます。
温めても冷やしても,ちゃんとおいしく頂けるようになっていてます。

でもね,あれはあくまでもお茶ではなく,お茶風飲料です。

お茶は淹れる側と頂く側が結ばれてなくてはいけません。
お茶は飲むことだけが目的ではないからです。
おもてなしの精神と,なにより真心を少し加えるのが大切なんです。

おっと・・・難しい話になってしまいましたね。


それはさておき,お茶にしましょ!


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